よよよん

少年の君のよよよんのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
3.5
オンライン試写で観賞。主人公二人の若さ故の儚さや拙さを全面で感じさせる演技と演出が最高。物語の主たる部分は2~3ヶ月程度の話でそこが「英題:Betters Days」のDaysに係っているのだが、その中で動いていく人間模様がスリリングであり、切なくもあり映像から目が離せなくなる。
またメインストーリーと違う時間軸の話を映画開始直後に持ってくるのは、ちょっといただけないのでは?と思ったが、見終わるとしっくりくる。
「邦題:少年の君」は原題の「少年的你」の直訳と思われ、この物語全般に関するものでもあるが、タイトルを覚えておくと、劇中でムムッと感じるところがあるので覚えておいて欲しい。

「いじめをなくそう。」「中国政府はいじめをなくすよう、いろいろやってます。」的なテロップが出てきて、統制を深めようとしている中国のプロパガンダ色を感じる部分もあるが、劇中に出てくる受験戦争や貧困と格差、それらによって心が蝕まれている人々の描写などで、一筋縄でいかない世情を描いているのも良い。

ただし、いじめシーンや不良やチンピラの暴力行為シーンはちょっと甘めに感じる。監督がそういう描写をしたくない人なのか、教育的映画という側面からそのような描写を廃したのだろうか。

ブログにも感想を書いてます。
https://eiga.tottoco.tokyo/2021/07/15/better_days/