雑種

少年の君の雑種のレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
4.5
いやぁ〜、ものすごいものを観てしまったナ…チェンとシャオベイに重くのしかかる運命があまりにも残酷で痛々しくてすごく辛いしやるせないのに、お互いを想う気持ちだけを糧に今日、明日、そして未来を生き抜いていく二人の姿が眩しくてクラクラしてしまった。もし自分が2人と同年代だったら共感したり感情移入したり自己投影したりするんだろうけど、大人目線だからこそ自分を重ねるにはあまりにも純粋で真っ直で美しすぎて羨望心すら抱いてしまった。

イーヤンチェンシー、「この子、ポンちゃん(彭于晏)に似てるナァ〜」と思いながら初めの方こそデレデレしながら見てたけど、気付いたら純粋に演技力が素晴らしくて完全に魅了されてしまった…。終盤でチェンとシャオベイが真正面から対峙するシーンが何度かあるんだけど、その度に言葉だけじゃなく全身で『君を守る』って訴えかけていて(それこそ“魂の叫び”と表現するに相応しい)もう穴という穴から水分が滝のように流れて…。自分の身体と人生を盾にしてチェンを傷つけるものから守るという術しか知らないというのが、シャオベイの生きてきた世界の狭さを表してるなぁと思う。
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