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少年の君のmondayflyerのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
5.0
【初】
観たい観たいと思っていても、なかなか勇気が出なかった。なんか切なくなりそうな気がして。
でも、我慢できなくて観てみた。
やっぱりね、いい映画だよね。

イジメられることになってしまた少女と、いわゆる不良少年の関係を描いている作品。
調べたら、東野圭吾のパクリという方もいるらしいけど、全然そんなこと思いもしなかった。

この作品の肝は二人の距離感だと思う。
最初は物質的な距離は近くても、精神的にはとんでもなく距離があって、それが、いろいろな描写で縮まっていくのを見せていく。ベタだけど、バイクに乗るときの手の位置とか、登下校時、ちょっと離れているのに、気持ちはぐんと近くなっているし、クライマックスの気持ちは二人とも重なっているんじゃないかなと思えた。
その後、一つの道から二つに分かれていく描写もあるけど、そこも、気持ちの距離は離れてない。

作品の冒頭で主人公のその後は明かしている。それで、イジメなのか他の悩みがあってなのかちょっと様子のおかしい子に気がついて回想に入っていく。それで、ラストに冒頭へ戻って今は?という描写になる。
もちろん社会問題かなんかも描かれているのだろうけど、そこよりも、ある意味無垢な少年少女の距離感を注視して観ると、味わいが深いと思うのだが。
気持ちよく観終える事ができたので、5点満点中9点。
おすすめ度は4.5。いじめの描写は嫌な人もいるだろうから。
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