勝手に歳を取って焦って変わったのは私の方だから。
演劇でできることは現実でもできる。だから演劇がある限り絶望することはない。
脚本家の永田と服飾学校に通う沙希の恋の移り変わりを描く。演劇ありきの心情変化と着地点。
小説の感想
物語は永田目線で進みますが、演劇の世界に没頭し友情や愛の捉え方が歪曲している彼に全く共感できませんでした。
しかし自分とは異なる世界で生きる彼の目線から愛について見るという意味で貴重な経験ができた気がします。
映画の感想(読後に鑑賞)
小説を忠実に映像化できた好例だと思いました。二人の演技があってこそです。
特に松岡茉優の演技による説得力が凄まじく、小説で表現しきれなかった表情や動きなど細部まで沙希となっていました。
映画には映画の良さがあるなとつくづく実感しました。
小説を含め二度目だからなのか、不思議なことに途中から二人の感情にすごく共感していく自分がいました。
ネタバレ感想
ラ・ラ・ランドを彷彿とさせる終焉に熱いものがこみ上げてきました。不器用ながらも確かに存在した二人の愛を演劇という現実に昇華していく様に感動しました。絶望することなくお互いに現実の続きを生きていくことができるのだろうと余韻に浸れます。
