ハンドメイドシト

Mank/マンクのハンドメイドシトのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
4.0
マンクがオーソン・ウェルズと手を組んでいなかったら、彼は晩年「オスカー像」と言い残して息を引き取っただろう。そんな妄想が膨らむほど、「市民ケーン」の主人公である新聞王チャールズ・フォスター・ケーンとマンクの人物像と境遇がよく似ている。
「市民ケーン」でケーンが愛を渇望したように、マンクは映画の魔法を信じ、映画の操り人形になることを自ら望んだ。「哀れ」という言葉だけでは言い表せない人間味のある人物なのだ。
彼が自分の価値を見出していく姿が愛おしくも切ない。中でもゲイリーオールドマンが時折見せる柔和な表情が際立っていた。