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Mank/マンクのたむたむのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.2
亡き父の遺した脚本をもとに、デヴィッド・フィンチャーがオスカー俳優ゲイリー・オールドマンを主演に迎え映画化。

アルコール依存症に苦しみながらも、オーソン・ウェルズの名作『市民ケーン』のシナリオを手掛け、アカデミー脚本賞を受賞したハーマン・J・マンキーウィッツと彼を取り巻く人々の姿を通し、ハリウッド黄金期の光と影をモノクロで描く。

D・フィンチャーとG・オールドマン、おまけに音楽を手掛けるのはトレント・レズナーという、大好きな人たちによる作品ということでクリップしたまま、永らく埋もれてたやつ。

カメラワークや映像テクニックはじめ、とことん「古き良き映画の再現」に拘った、フィンチャー監督の並々ならぬ情熱と技が光る。ただ、やっぱり事前に『市民ケーン』を観とくべきだった(^^;;
予め観ておいた方が楽しめる、という話を聞いてはいたものの、結局手が伸びず強行突破した自分が悪いんだけど(苦笑)せめて当時の時代背景くらいは頭に入れてからでないと、本作を味わい尽くすのは難しそうだな…という印象でした。

ゲイリー・オールドマンは相変わらずの演技を魅せつけてくれるし、アマンダ・セイフライドは往年のスター女優グレタ・ガルボを彷彿とさせる美しさ。それらがモノクロの映像と相まって、まるでオールドムービーさながらの重厚な質感。

作品単体の面白さとしては疑問が残るものの、フィンチャー監督の亡き父への想いが詰まった作品と捉えると、ファン必見と言えるのかも。

「MGMはライオンのレオだけがスターだ」
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