とも

シャン・チー/テン・リングスの伝説のとものレビュー・感想・評価

3.7
アフター指パッチンのサンフランシスコ、シャン・チーは束の間の平和を過ごしていた。MCU新ヒーロー誕生のカンフーアクション。

アフター指パッチン?なにそれ?って方でも楽しめる内容だと思いますし、他のMCU作品から登場するキャラ・ネタも多いので以前からのファンにも嬉しい内容です。

序盤、バス内で繰り広げられたシャン・チーの初披露カンフーとケイティのドライビングの即興的なアクションが最高。シャン・チーの強さはもちろん、2人の肝の据わりっぷり、破天荒っぷり、そして正義感と確固たるコンビネーションがガンガン伝わってきました。

そこで気持ちが最高潮に達してしまったせいか、ストーリーを通しで見るとエンディングにかけての盛り上がりがややボヤけた印象になってしまった気はします。

それでもこの映画を反芻してしまうのは、キャラクターの良さでしょうか。
特に好きだったのはケイティ!
猫背で口が悪いし親の期待に応える気もないし客の車を乗り回す。ハイヒール・露出・キス、こういった女性のメインキャラに付き纏う要素は全部なし。なのにあんなに魅力的な人がいるって、こんなに嬉しいことはないです。
事件を一緒に乗り越えても過去を隠して別れを告げようするシャン・チーにケイティは怒るんですけど、泣き落としなんてせずに友達として一緒にいさせろってバシッと言って、過去を受け止めて、お互い笑って終わりにして、引きずらない。友情がブレない怒り方ができるのって凄いと思います。
シャーリンも家出して自分の城を作っちゃうしパンク趣味となかなか派手で今後が楽しみなキャラです。

クレイジーな親友とカリスマの妹に挟まれても、シャン・チーは割と自然体なのがまたカンフーヒーローって感じで良いです。無闇に力を欲することもなく、友達と飲んでダベってカラオケで騒いで寝落ちして、って日常を愛してる。コロナ禍の今見ると羨ましくてたまらないのですが笑、シャンチーが守る平和はすごく推せる気がします。
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