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シャン・チー/テン・リングスの伝説のnobuoのレビュー・感想・評価

3.8
カンフー要素を取り入れたMCU最新作。すっかりレビューを忘れてました。新ヒーロー誕生譚としては中々の出来。

特筆すべきは主人公と敵(親父)が使う武器「テン・リングス」の格好良さ。カンフー映画は接近戦ばかりでよほどの工夫がないと飽きてしまいがちだが、このアイテムでカンフーを遠隔攻撃に転用できているのが面白い。
また、結局ヒーロー映画は子どもが観て憧れてナンボのモノだという持論があるが、これ観たアジア系の子どもは皆腕に何か巻いて「シャン・チーごっこ」をしたくなるんじゃないだろうか。ごっこ遊びをしたくなる(し易い)ヒーロー映画は偉大だと思う。
半面、このアイテムを主人公が手にし使いこなすのは最終盤。それまでは親父:トニーレオンが所有権を握っているわけだが、その影響とルックスのハンサムさの相乗効果でトニーレオンが魅力的に映り過ぎる。これは美点か欠点か何とも言えないところ。

アクション的な白眉はビルの外壁を平面的に使ったスマブラ型バトルシーン。「チョコレートファイター」を彷彿とさせるアクション映画界の新たな名場面だった。
“中国人”と“中国系アメリカ人”の間にあるカルチャーギャップ等、掘り下げようと思えば掘り下げられる部分も多いだろう。何にしても、シャン・チー次回作には大いに期待が持てる。最初からテン・リングスを使いこなしてくれるなら、アクション的な見せ場も増すはず。
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