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ソー:ラブ&サンダーのpenのネタバレレビュー・内容・結末

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

劇中で度々昔話を語るようなナレーションが使われており、それらを聞かせる相手は子どもたち。敵としての登場するゴアは映画冒頭では神への信仰が厚い(ゆえに裏切られた時の絶望が大きい)。ゴアもかつては子どもの頃、大人たちに神々の英雄譚を聞かされ育ち、その聴いた話を娘にも聞かせていた……という子どもとの接続があればもっと良かったかもしれないな、と個人的に思った。
結果的に失望するものの、ソーはゼウスに憧れていて、それは普通の人々による神への信仰に近い。もう少し掘り下げれば、ソーの対極としてのゴアとか、ソーが助けようとする子ども達のあり得たかもしれない(と同時に阻止しなければならない)未来としてのゴアとか、膨らませようがあったような。

潔く愛を正面から叫ぶのには勢いがちょっと足りなかった印象がある。90分で駆け抜けても良かった。こういった大作では難しいことだが。

とはいえ観ている間は気楽に楽しめたし、キャストの力もあってかグッときた部分もあった。自分がタイカ・ワイティティ監督の演出が好きなんだろう。政治から離れて冒険と戦闘に戻るヴァルキリーの身のこなしが良い。

映像が白黒になって船が敵の暗黒の世界の地表に突き刺さる場面、『月世界旅行』の月面着陸でロケットが突き刺さるオマージュで良いんだろうか。あのモノクロパートはとても好きです。
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