O谷

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのO谷のレビュー・感想・評価

4.2
前作の「ブラックパンサー」をおさらいしてから観に行きました。前作の終わり方、めちゃくちゃかっこよかったですね。

見応えのある陸と海の圧倒的な映像美!
自然と超常現象と科学技術の融合、カラフルでファッショナブルな衣装とプロップでエンターテインメントはこうでなくっちゃあね!という説得力があります。
ワカンダの女性、みんな知的だし見た目もスーパーモデルみたいな感じですごいよ!

ワカンダ王国の貴重な資源であるヴィブラニウムと高度に発達した科学技術が、どう使われるか(世界の平和的解決に貢献するか)をコントロールするという政治的態度はとても崇高です。

そして前国王ティ・チャラでありブラックパンサーであるチャドウィック・ボーズマンへの黙祷。追悼ではなく黙祷という言葉が相応しい映画でした。
ティ・チャラを失った心の穴はあまりに大きく、だんだん自分自身がワカンダ国民になり(錯覚)、一国民として心から彼の死を悼み、おこがましくも女王様や王女様の気持ちに寄り添いたくなります。
世界にブラックパンサーはもちろん必要だったでしょう。ですがそれ以前に王として、息子として、兄として、本当に愛されていました。

作品内でのティ・チャラのショットには音声がありません。そのせいか、観ていてどうしても現実とクロスオーバーします。キャストの共演者としての深い哀しみはリアルすぎて計り知れず、黙祷するより他にできることはありません。

本当に彼は気高く偉大なる王を演じ切った俳優だと思います。
O谷

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