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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのnocchiのレビュー・感想・評価

4.3
め、めちゃくちゃ良かった…!
160分あるからダルいかと思いきや、話が冗長でも駆け足でもないのに全く飽きず、のめり込んだままラストまで。

最硬の鉱物ヴィブラニウムを巡る国防と政治の最中、鉱物とその活用技術を保有するワカンダ。ブラックパンサーでもある王のティ・チャラを失い、その悲しみから立ち直れない隙をついて各国がワカンダ陥落を狙う。
さらに、ワカンダでしか採掘不可と考えられていたヴィブラニウムを保有する別国の種族が現れ、新王となった、ティ・チャラの母であるラモンダと、技術担当の妹・シュリは窮地に立たされる。

国防、技術、戦術、国民性、さらには各自の心理戦も交えながら描かれる異種間闘争。黒人の方々をハリウッドヒーローに据えたことで本作はMARVELの中でも元々注目度が高いけれど、何よりもティ・チャラとシュリ兄妹の人徳、人間性が素晴らしく、MCUの中でもTOP3で好きな作品だったけど、今回は前作を圧倒的に上回り素晴らしかった。
(ブラックパンサー、ウィンターソルジャー、ガーディアンズがTOP3ですがウィンソルはバッキー好き、ガーディアンズはジェームズガン好きによるものなので、作品としてはブラックパンサーが一番好きかも)
チャドウィックの死に伴うストーリー転換ではあるけれど、キャラクター、俳優いずれに対しても追悼と愛が溢れ出るように込められた温かな作品。

シュリはトニーやブルースに次ぐレベルの技術者で、戦術もさながら、AIとガジェットを駆使し国を守ろうとする素敵な女性で、元々好きだったけれど、本作の主人公として素晴らしい決意、行動を魅せてくれた。メディアで描かれる女性像はいつもどれもどうも歪んでいて好きになれないが、シュリはロールモデルと言っていい素晴らしいペルソナであると思う。
あれほど冷静であった彼女が、愛する者の死により怒りで目が眩みながらも、ワカンダの民との愛や誇りを以って、王たろうとする姿が本当によかった…とても尊敬できる人。
リリ、オコエとのタッグも、ナキアとの友情も最高だった!
あんな仲間欲しいな〜!あれは一生モノ!

新キャラのタロカン王国の民は、DCアクアマンとの対のキャラクタなんだろうか。見た目がアバター。足から羽生えててもああは飛べんだろと誰もがツッコミを入れたのではないだろか。ワカンダに敵対するメリットはタロカンにはないのであれは完全に作戦ミスというか王としては全然だめではないかと。本人がハイブリッドに生まれたことでハーフ的なアイデンティティの揺らぎなどをもっと描いてくれるとよかったが、シュリにグッときつつ、仲間にならないなら潰すといったり、ラストもころっと方針が変わっているし、なんかただのアホ?という印象で終わったのはもったいないといえばもったいなかったか。
あとフランスを敵国に描いたのは今回どうだったのかなあ。いいのかなあれ。

シュリの服がスポーティで、スレンダーな体躯とショートヘアにとってもお似合いでいちいち可愛いのだが、やっぱりデザインはアディダスだった。エンディングはリアーナで、あそこだけハリウッド感あったが、トンマナも全体的によかったなあ。
VS水中戦ということでソナーを交えた攻防などよかった。リリがアイアンスーツ自力で開発してるとことかも最高。

ラストは本当に涙。王とは立場ではなく、死んだ時に民が流した涙によって決まるんだよなあ。
そしてドル箱シリーズはエンドクレジットでしっかり回収していくディズニーであった。サイドドラマがD+入りするんだろうな…
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