「この国はストリップクラブみたいなものよ。金持ちが札束をバラまき、人々がそれに群がって踊り狂うのよ」
ウォール街の男たちから金を騙し取る女性ストリッパーたちの話。
リーマンショックに翻弄され、ストリップ市場にも多大な影響を与えられた女性たち。彼女たちが、金融危機を引き起こした張本人である金融マン達からあの手この手で金をむしり取る。
実話を元にしているため、ドキュメンタリーを観ているかのような本作。記者のエリザベスに取材されるディスティニーの語り口からストーリーが展開される。
格差社会、資本主義の世界から溢れてしまった人たちの復讐劇がメインだが、金を巻き上げて高額な買い物をして満足そうにしている彼女たちの表情はどこか悲しげというか、もどかしさみたいなものが垣間見えていたのがリアルだった。世の中、お金があっても満たされないものだらけなんだなぁ。
最後、ディスティニーとラモーナの2人が、金稼ぎの為の協力者としてだけでなく、「友情」で固く繋がっていたと分かる描写があって救われた。