このレビューはネタバレを含みます
最初は「ルースがやばいやつなのか?いいやつなのか?」と交互に印象が変わるようなシーンが出てきて、こちら側のステレオタイプを試される感じがあった。
でも後半になると、名誉白人として育てられる時のダブルバインドとか、アメリカの社会の中にある人種差別の根強さとか、世代間のギャップとか、すべての登場人物の生きづらさが見えてきて、誰が悪いとかではなくてあー今のままでは誰も幸せになれないよね〜〜〜っていうのが見えてくる。
私が個人的にうわーってなったのはアジア系のステファニーが出てくるシーン。
優等生なはずのなんの抵抗もなく女性蔑視的なジョークを言うシーンからあれ?って思ってたけど、
ステファニーは性差別的な扱いを受けていて、受け入れていて、もしかしたら内面化してるのかもしれなくて、
でも一方で「アジア系の女の子」のステレオタイプを当てはめられることにもムカついているのかもしれなくて、
仕方ないから笑顔でスタバを飲んでるのかもしれなくて、
意図が不明な身のこなしのいろいろが、つらい状況をよく写しとっている気がした。
あと性犯罪の証言者が嘘つきだ、という思い込みを強化しないかがすこし心配になるシーンもあった