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彼女は夢で踊るのmakotoyoshidaのレビュー・感想・評価

彼女は夢で踊る(2019年製作の映画)
2.0
今のストリップの舞台はこの映画より遥かに素晴らしいぞ!この映画は過剰におセンチで辛気臭いのがイヤ。まるで滅びゆく昭和の文化みたくストリップを描いてるけど今のストリップは全くそんな感じじゃないよ(広島は知らないけどさ)。
浅草や渋谷の劇場でのライブショーは華やかなエンタメの舞台。映画だと「バーレスク」「フラッシュダンス」に近いだろうか。ダンスはもちろん照明も音響も衣装も作り込まれてる。
音楽もダンスも昭和じゃなく現在を生きてるし踊り子さんは若手もベテランもみんな美しい。
浅草なんてデートでも全然OKだし実際に一緒に行った女性達はみんな感動してた。
ノスタルジックなメロドラマにした方が世の中に受けやすいのはわかるけどさ、何だか制作側のあざとさを感じてイマイチこの映画好きになれなかったし、ストリップの世界を描くのであれば何よりも踊り子さんのステージをもっと明るく美しく撮ってほしいよ。令和時代のステージはもっとずっと綺麗で楽しいから。

現役の踊り子さんである矢沢ようこさんはじめ出演者の方々の演技や佇まいは素晴らしいだけに、ストリップを題材に映画が作られたことに嬉しさを覚えつつも本作が世の中にストリップの誤ったステレオタイプイメージを増幅してしまう気もして複雑な気がした。

とは言いつつ、この映画はストリップに関心を持つきっかけとして貴重でありがたい存在だし、この作品を観てストリップに興味を持った人(特に若い人)は、ぜひ実際に(できればお洒落して)劇場に足を運んでいただけたら俄かストリップファンとして嬉しいと思う。
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