トム

1917 命をかけた伝令のトムのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.5
●あらすじ
ドイツ軍は撤退したがそれは罠によるものだった。いち早く気づいたイギリス軍の将軍は前線の撤退を命じようとするも電話線は切れており繋がらない。
そこで将軍は、1600人もの兵士達への撤退命令を報告するために、2人の若い兵に伝令を託す...。

●感想
素晴らしい撮影技法!
どうやってこれを撮ったんだ?と思えるシーンばかり。

背景描写は美しさと地獄を分けてるようで素晴らしかった。
画面越しにも臭ってきそうな死体溢れる地獄絵図な戦場かと思えば、緑溢れる草原も映ったりした。

戦地の生々しい動物や人間の死体はリアルさを引き出す。
とくに序盤の死体に手を突っ込んでしまうシーンはエグい...w

全体的にワンカット手法のように見せる作りで主人公たちと一緒に行動しているかのような没入感を得られる。
もう一度いうけど撮影技法が本当に素晴らしく「うわぁー...」と口に出るようなシーンが多かった。ラストの疾走シーンは特に印象深い。
常時、主人公の周りから映すカメラのため、視聴するこちらも敵の視認タイミングが同じである。つまり、どこから撃たれてるかすらも分からないし、敵兵なのか味方兵なのかも分からない。敵兵から逃げるシーンがいくつかあるが、主人公は逃げてるわけで敵の顔は確認できてない、そのためカメラでも追跡してくる敵兵の顔がハッキリと映らない。これがより怖さを引き出してる。
そのため戦闘シーンも緊迫感がある。

若い兵士である主人公が有名な俳優ではないため、逆にそこが良かった。ズタボロになりながらめげずに走る彼を応援したくなる。

何気にイギリス軍の将軍とか大尉たちを演じてるのがイギリス人名優たちで感動した(笑)

他の戦争映画のように撃ち合いは多くないが、それでも満足の出来。これカメラどうやって撮ってるんだ?って思いながら見るとより作品の凄みが伝わってくると思う。
トム

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