Nagisa

ハニーボーイのNagisaのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.8
何からまとめたらいいか分からないくらい良くて、深い作品だった。
観て何日もかけて寝かせてレビュー書いてます。あ、今回はオンライン試写会で観させていただきました!

PTSDを患った青年の過去はスター子役。
そんな彼と、その原因を作った前科持ちのアル中父親の物語。

私の今回のお目当てはそんな重い役所のスター子役を演じるノア・ジュプくん。(この子に絞ってレビュー書きます)

いや〜凄い。とても複雑で難しい役なのに、リアルに繊細に演じていて、実際に苦しい環境にいるの…!?と彼のプライベートが心配になるくらいでした。笑
もし普段は暖かい家庭で育っていてあれを演じてるなら彼はきっと人生1周目じゃないと思う。
ラブシーンはいろんな意味でドキドキしました。笑


ストーリーも演技も良いけれど、それとは別で印象に残ったのがいくつかのメタファー。その中でも最も印象的に出てくるのが鶏。
込められてるメタファーは多分「臆病者」。でも途中「世界一勇敢な鶏」と評される鶏が出てくるけれど、きっとそれもオースティンと重ねてるんだと思う。

対局にあるようで、表裏一体というか、
どっちもオースティン自身、そして父親自身なのかな。

もう1つ気になったのがポスター。
この映画は日本と本国とのポスターの印象が全然違う。
本国のは無表情のオースティンの顔面にパイを投げつけてるポスター。
日本のは日差しの中で柔らかく微笑むオースティン。
言いたい事が上手く伝えられないけれど、本国の方がこの映画の醜い部分を隠さず、それこそを伝えたい部分として売り出していて、まっすぐで好印象。
(本国ポスターだと日本ウケ悪いのはわかるけど)

でもそういうのが、作品を通して人に寄り添えるんじゃないかな、と改めて考えさせられた。
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