このレビューはネタバレを含みます
テレビシリーズが本当に大好きで、どれだけこの劇場版を待っていたか。
テレビシリーズの復習を兼ねた冒頭の可愛らしいSD絵による今までのお話からのテレビシリーズ1話を彷彿とさせる始まり。
しかし、かつては勢いよくスピードに乗った運転から始まるこのシーンもエンストだったり、かつては賑わってたアニメの放送をスタッフみんなで見るシーンも片手で数えれるくらいの寂しさ。
テレビシリーズの決して何もかもが上手くいってたとは言えないけど、沢山の人がいて、賑やかだったあの武蔵野アニメーションはもう存在しないということを突きつけられるシーンだった。
そこからは変わっていったみんなの様子やなぜこんなことになったというのかが映されていく。
色々と変化していった中で今回は遠藤さんが特に物語のひとつの象徴として描かれていたと思う。
遠藤さんの純粋だったが故に起きてしまった事件に心の折り合いを付けれない状態が周りの行動でどんどん変わっていく。テレビシリーズの最初では距離感のあった下柳さんとも親友のような間柄になっていて、そこは4年間の喜ばしい変化だなと思った。遠藤さんの嫁さんが聖母のような優しさでほんとお前いい加減にしろよと思った。それでいて、瀬川さんのようなあんなに気を使ってくれる先輩もいて、どこのラノベ主人公だという感じだ。
また、他にも社長業を辞めてしまった丸川元社長の宮森に対する言葉ひとつひとつが本当に感動する。想いを託せる後進がいたからこそ、責任を取って辞めた後でも穏やかな様子で宮森に言葉を送れたんだと思う。
仲間がどんどん集まって10ヶ月しかない絶望的な状況でも製作が順調に進んだのは、やはり元の企画があったからとみんながみんなあの時のリベンジをしたいという心がひとつになっているというのが見ている方も頑張れ、頑張れと心がムサニのメンバー達と一緒の気持ちになる。
そこからはお約束のピンチもあったりするけど、それを乗り越えて、最後の悪あがき含めて、アニメ作りの無茶苦茶さと魅力を楽しめる映画だった。
監督を引っ張っていく宮森の姿がプロデューサーとしてとても頼もしく、みんなを導いていく立派なプロデューサーだなって思った。
素晴らしいアニメをありがとうSHIROBAKOスタッフ。