スケールの大きい同窓会感がある。とにかくW主演をフィーチャーしたつくりで新世代の面々が無邪気にネオやトリニティーを英雄視するのはなかなか微笑ましいが、過去作のクルーほどの印象はなかったのが残念。
追ってくる敵がBOTに変化したのは時代の流れを感じるが、銃弾を非人間的な挙動で躱すエージェントに比べてただただ物量で押し潰すスタイルはカッコよさの欠片もなくアクションとしては全然面白くない。ネオも過去作のスーパーカラテを封印してひたすらバリアーで攻撃を防ぐばかりだし必殺のバレットタイムもメタネタに投入しているのでマジでもったいない。自分で作品の長所潰してどうするの？
メタメタのメタフィクションを取り入れた前半パートは製作の裏側で色んな悶着やコンフリクトがあったことを匂わせてくるけど観客からしたら「別に知らんし……」となるし、やっぱキメキメのアクションシーンありきのマトリックスだとは思うのでお出しされたものにはう〜んとなってしまう。ただ、レボリューションズの顛末を見届けられなかったトリニティーを軸に、レイジアゲインストザマシーンな初期衝動の怒りを再演したストーリーは目新しさはないもののマトリックスの味で大変良い。
