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地獄の黙示録 ファイナル・カットのMITCHのレビュー・感想・評価

3.5
IMAXレーザーにて鑑賞。ベトナム戦争を題材にしており、前半は戦場の狂気が描かれていたが、後半は打って変わり宗教観満載の狂気を描いた不気味な作風となっていた。前半と後半でここまで作風が異なる戦争映画が未だかつてあっただろうか(自分は単に知識がないので知らない)。

前半は戦争映画らしくとにかく銃撃と爆発の嵐。しかし劇中でその場を襲撃する理由が「サーフィンをしたいから」。BGMに使用されているワーグナーの『ワルキューレの騎行』と相まって狂気しか感じなかった。

後半はカーツ大佐がジャングル奥地に王国を築き上げ王として君臨し、民がカーツに跪く、もしくは神のように崇めるといった新興宗教染みた思想を描いており、こちらも前半とは全く違った意味の狂気を感じさせられた。

前半はとにかく映像が派手なので視覚だけで楽しめるが、後半は最初に挙げたようにとにかく不気味であるだけで基本的に登場人物がいったい何をしたいのか、何をしているのかがいまいち伝わってこない。ひたすら意味不明な映像を見せられたという感覚でしかないので、ラストに「地獄だ。地獄の恐怖だ。」という作中で最も有名な台詞が発せられるが、まさに「それはこっちのセリフだよ」というやつである。

IMAXレーザーでの鑑賞ということもあり、IMAXではお馴染みの巨大スクリーンは勿論のこと、レーザーでの映写により4K画質の非常に綺麗で繊細・明るい映像に仕上がっており、音響もさすがIMAXと言わんばかりの圧倒的音量・重低音で、爆撃シーンはこれまで劇場で観た映画の中で一番と言っていいほど大迫力なものに仕上がっていた。

地獄の恐怖を味わう覚悟のある人は是非一度鑑賞してみてはいかがでしょうか?
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