地獄の黙示録 ファイナル・カットの作品情報・感想・評価

「地獄の黙示録 ファイナル・カット」に投稿された感想・評価

劇場公開版より長く、特別完全版より短い『地獄の黙示録』。
プレイメイトのシークエンスはないが、フランス人入植者のシークエンスはある。
これまでのバージョンと印象に大差はないが、IMAXの画面と音響で狂気も倍増。
朝のナパームが格別なように、IMAXの『地獄の黙示録』も格別である。
タイトルとポスターで、完全にホラー映画だと思い込んでスルーしていました。
某レビュアーさんの激推しだったので鑑賞。

ベトナム戦争中、脱走して現地で王国を築いちゃったおっさんを倒しましょうってストーリー。

正直、観終わってから、モヤモヤする気持ちを何て表現したらいいのか、自分の物差しでどう評価したらいいのかわからなかった。

ベトコン、ゲリラ兵、枯葉剤
ちょっとしたワードしか知らなくて
そもそもベトナム戦争って結局何なん?
と検索してみると
長い戦争期間、すさまじい死傷者数、関わった国々とその背景、その後の課題等々…
調べるほどにドン引きした。

そこでようやく、この作品が戦争をテーマにした娯楽映画ではなく「ベトナム戦争がもたらしたもの(の一部)と悲惨さ」を伝える資料のような映像作品なんだと気付いた。


40年前の作品のリマスターですが、映像の古さは全然感じません。
娯楽性を求めて観賞すると「面白い」って映画ではないのかもしれませんが、地獄の一端を垣間見てやってもいいぞって方は、ぜひ。

あと、ベトナム戦争を知らないって人はよかったら少し調べてください。
たかだか50年も経たぬ前に存在した、まぎれもない現実です。

しばらくしてから「すごい作品を観たんだ…!!」と感じた名作でした。
実際に戦場を作ってしまうほどのこの映画の大規模な製作と波乱の公開延期が続く日々が観ている観客からしてもすごく感じられるほどの驚くべき作り込みだった
前半の地獄のような戦場に放り込まれるハラハラな臨場感と後半の哲学的な問題を投げかけてくる前半の派手さがない静かさ
この二幕のギャップをかなり感じた
これはファイナル・カットでしか感じられない編集の切る具合なのかな
正直前半の方が好きだったが、全体としてみてもすごく好きな作品です!
Chi

Chiの感想・評価

4.5
見ているだけで、焦燥感、苛立ちや怒り、恐怖心など主人公の感情が伝わり、自然と私も同じ気持ちになっていた。
前半の空撃のシーンはワルキューレが印象的で五感をフルに刺激され、圧倒的迫力でまるで自分もアメリカ兵のひとりになったような感覚に陥った。
後半のカーツ大佐と対面したのちの場面で、暗闇の中に差し込む光はレンブラントの絵画を思わせた。2人がまるで同一人物であるかのような、入れ替わったかのような最後のシーンは感慨深いものだった。
G

Gの感想・評価

4.5
ちゃんと劇場で観れてよかった、しかもIMAX!ストラーロ撮影とかすっかり忘れてた、ほんとに素晴らしい。とても素晴らしいんだけど最後30分は長かった。ファイナルカット版は終盤とそれ以外の分離がよりはっきりと分かるものになってる。
何の疑問も持たず使命を遂行しようとしているキルゴア=高橋洋言うところのストレンジャーとの出会いから始まり、終わりをはっきりと自覚しているにも関わらず自分では口に出すこともできないフランス領の人々に至るまでの流れ(といってもここまでで2時間半かかってるんだけど)は実に見事でこれで終わってもいいくらい。超現実的な映像を現実のものとして見せるという映画の魅力&困難に真正面から突っ込んでしまっている今作は制作の過程においてまさしく蕩尽と言うべき行為で資本を溶かしまくった。劇中で語られる戦争の危うさ、人間の愚かさと言うのはコッポラが映画作家としての自身に投げかけた言葉でもある。
これでカーツ王国に入ってさくっと終われば最高だったけど、、カーツに会ってからが長いよ!!それまで感じなかったカメラの動きの遅さを気にしてしまう…しかしまあこういった部分も他の戦争映画にはない魅力でもある。激太りマーロンブランドのあまりの超現実的キャラクターによって見事に物語は破綻して終わり、忘れ難い作品となる。
今作では首の皮一枚で繋がったコッポラだったがこの後ワンフロムザハートで破産、マイケルチミノの失敗とともに映画作家の時代が本格的に終わってしまったことを知らしめてしまう。
もちろん何度も見ているがIMAX上映はやはり格別。
戦争に取り憑かれた男たちの狂った姿、強烈。
ATSUYA

ATSUYAの感想・評価

4.0
朝のナパームは格別だ

皆さんは死後の世界を信じますか?
生前にいいことをすれば天国に行けて
生前に悪事を働けば地獄へ落ちる。
自分は天国だけ信じていて、地獄は信じません。
だって地獄なんて行きたくないですもん。

しかし、本作『地獄の黙示録』の舞台はタイトルの通り、地獄です。死後の世界ではなく、現実の世界に存在する地獄です。
信じるも信じないも何も、地獄は存在してましたわ。

ベトナム戦争下のカンボジアで過酷な任務に挑むアメリカ兵がベトコンをボコボコにしたり、逆にボコボコにされたりします。

アメリカ軍がベトコンをボコボコにする前半部分は、不謹慎ながら、とても楽しい気持ちになります。(主にワーグナーとギルゴア中佐のせい)

そして逆に、主人公一行(アメリカ側)がベトコンとカーツ王国の民にボコボコにされる後半部分は、とても深刻な気持ちになります。

この構成、「敵を殺せば勲章。見方を殺せば殺人罪」という、戦争の異常さを体現しているのでは無いでしょうか。

我々観客はアメリカ側の視点から映画を見ています。
なので、アメリカ兵に被害が出ると憤りを覚えます。
逆にベトコンに被害が出ると、一種の喜びのような気持ちが湧いてきます。
これは我々が「アメリカ軍は味方、ベトナム軍は敵」という視点から、視覚的に戦争へ参加していることになりませんか。

そうやって戦争に参加させられた多くの人が、自分たちの望まない形で分断を余儀なくされる、それこそ戦争がもたらす最悪の被害であり、戦争がなくならない、一番の原因になっていると思います。

昨日まで「同盟だ協力だ」と言っていた相手に、戦争が始まった途端、銃を突きつけなければならない。
敵とあらば、相手を人間とは思わず、容赦なく惨殺し続けなければならない。

戦争は人の理性を奪い、惨めな殺人マシンを生み出すだけですね。
戦場はまさに地獄。感じるのは地獄の恐怖のみ。

今回が初めての『地獄の黙示録』でした。
(ホントは公開3日目くらいに見たんだけど、寝ちゃったのでノーカウント)

とにかく刺激的な映画ですね。
戦争描写はとにかく凄いし、ストーリーも濃いし、3時間は流石に疲れましたけど、退屈せずに見れました。
ただ、マーロン・ブランドの話だけは全然意味がわかんない...2回見てもほとんど理解できなかったよぉ!

今日で就活が一旦落ち着いたので、映画鑑賞を再開していこうと思います。また急に消えるかもしれませんが...
BUSSAN

BUSSANの感想・評価

4.4
高評価の方がこぞって絶賛してますが、敢えて僕にも言わせて下さい。

爆音でワーグナーの『ワルキューレ騎行』流しながら武装ヘリが爆撃するシーン見るだけで2300円の価値はあります。

プロペラ音も客席までビリビリ響いてきます。

IMAX上映ありがてぇ!!!!

撮影賞、音響賞を獲った戦争映画という点では今年公開されたばかりの『1917 命をかけた伝令』と共通してますが、40年前にCGなしでこれ撮ったんやからおったまげです。

通常版よりも53分長い特別完全版、それよりも20分短い本作ですが、ちょっと間延びしたかなという印象。

冒頭1時間が凄すぎて、体力切れました。

昼飯食って5限目に水泳したら、6限目はめちゃくちゃ眠くなるやないですか、それと同じですわ。

ただその気怠い感じが、ゆっくりと地獄の終着点に向かっている劇中の雰囲気と重なりあって心地良いんですわ。


光と陰の使い方が秀逸。

ウィラードとカーツが初めて対峙するシーン。ウィラードの目には一筋の光が、一方のカーツはというと殆ど陰の中に体を忍ばせてますが、その眼差しは陰と光を行ったり来たり。お互いの心情を表してて「こいつはスゲェや!」と思ってましたが、何かの記事で「マーロン・ブランドが太り過ぎたので、あのような撮り方にして、結果的に雰囲気が出た」という真意が定かではない裏話を読んで、案外そんなもんかと思った次第であります(笑)
迫力に、犯された。
途中、ありきたりだけど、戦争の空しさみたいなのを感じて泣けてきた。
道を外れる人間の強さと孤独さを感じられる。
MITCH

MITCHの感想・評価

3.5
IMAXレーザーにて鑑賞。ベトナム戦争を題材にしており、前半は戦場の狂気が描かれていたが、後半は打って変わり宗教観満載の狂気を描いた不気味な作風となっていた。前半と後半でここまで作風が異なる戦争映画が未だかつてあっただろうか(自分は単に知識がないので知らない)。

前半は戦争映画らしくとにかく銃撃と爆発の嵐。しかし劇中でその場を襲撃する理由が「サーフィンをしたいから」。BGMに使用されているワーグナーの『ワルキューレの騎行』と相まって狂気しか感じなかった。

後半はカーツ大佐がジャングル奥地に王国を築き上げ王として君臨し、民がカーツに跪く、もしくは神のように崇めるといった新興宗教染みた思想を描いており、こちらも前半とは全く違った意味の狂気を感じさせられた。

前半はとにかく映像が派手なので視覚だけで楽しめるが、後半は最初に挙げたようにとにかく不気味であるだけで基本的に登場人物がいったい何をしたいのか、何をしているのかがいまいち伝わってこない。ひたすら意味不明な映像を見せられたという感覚でしかないので、ラストに「地獄だ。地獄の恐怖だ。」という作中で最も有名な台詞が発せられるが、まさに「それはこっちのセリフだよ」というやつである。

IMAXレーザーでの鑑賞ということもあり、IMAXではお馴染みの巨大スクリーンは勿論のこと、レーザーでの映写により4K画質の非常に綺麗で繊細・明るい映像に仕上がっており、音響もさすがIMAXと言わんばかりの圧倒的音量・重低音で、爆撃シーンはこれまで劇場で観た映画の中で一番と言っていいほど大迫力なものに仕上がっていた。

地獄の恐怖を味わう覚悟のある人は是非一度鑑賞してみてはいかがでしょうか?
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