イッテルビウム中田

わんわん物語のイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

わんわん物語(2019年製作の映画)
5.0
箱入りのお嬢様犬レディが野良犬トランプと恋に落ちる。
実際に犬が演技しているとは信じ難いくらい良くできていて、かの有名なスパゲッティを食べるシーンにおいても2匹は非常にロマンティックな雰囲気だ。

アメリカン・コッカー・スパニエルらしい人懐っこさと上品さを併せ持つレディ。赤ちゃんが産まれて居場所を失いつつあるレディの表情が実に切なかった。
一方、トランプも大きくしっかりとしたテリア系を思わせる雑種で、原作ほどチャラくはないが、男性的な魅力に溢れている。

わんわん物語はかわいい世界観でありながらも飼い犬と野良犬の格差をしっかりと描いている。

この映画を初めて視聴した際には、あれだけ「丘の向こうの素晴らしい世界」を語っていたトランプが最後には鑑札を受け取って飼い犬になるところに多少の違和感があった。
ところが幾つかの考察を知る中で〝アメリカと移民社会〟の観点を知り腑に落ちた。気になる方は一読することを薦める。