ヒモ

アフター・ヤンのヒモのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
3.8
壊れてしまったアンドロイドの記憶を辿る静かで空虚な物語だった。
物語が全体的に静けさと喪失感に支配されており、アンドロイドのヤンの記憶と現実を行き来することで話が進んでいく。その中で、家族への想いや自分の存在への迷いなどが明かされるのだが、昼下がりの午後にふとぼんやり昔を思い出した時のように、世界が明るいのに静かで寂しい、そんな感情にさせられる映画だった。
洋画というよりも邦画に近い演出になっており、SFを期待しておくとがっかりするかもしれないが、静けさの中の喪失と再生といったような空気感を感じにいくなら最高の作品だと思う。
何を求めていくかで評価がガラッと変わる作品だと思うので、ドライブマイカーのような映画が好きな人に勧めたい。
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