So

アフター・ヤンのSoのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
4.4
202395

傑作。一見ミニマルだけどかなり多くのことをやってのけていると思う。
家族写真の撮影シーンからこの映画は始まり、ヤンの過去や彼の人間らしさに迫るシーンを通して、最終的に家族写真を撮影するヤンがやはり記憶ではなく記録している事実に帰着する。
面白いのは、ヤンがロボットであることに満足している、又は満足している様にプログラムされているということで、従来「ロボットの人間らしさ」という表現がなされるこの問題に対して「人間のロボットらしさ」というアプローチを暗に提案している所がユニークだと思った。(ヤンは明らかにロボットであると結論づけられたため、人間とロボットの境目はどこにあるのかという問題が、人からロボットへと漸近するように眼差しが向けられているということだ。)
この映画の本意が「人間の人間らしさ」であると感じられるのはそのせいだと思うし、エイダの「どうして人間はロボットがヒトになりたいと思っていると決めつけるの?」という問いに対して、「そうプログラムされているのかもしれない」と思えてくることも納得できる。
色々喋ったけど、何よりもこの映画が大切にしている言葉だったり繋がりというものが凄く好きだ。またひとついい映画に出会った。
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