matsushi

きっと、またあえるのmatsushiのレビュー・感想・評価

きっと、またあえる(2019年製作の映画)
3.9
おそらく、日本で最も有名なボリウッド作品の「きっとうまくいく」をもじれば、観客動員数が増えると思って、この邦題なのだろうが、本作は全くの別物。こういう不必要な工夫が逆にこういう良い作品の知名度を下げているような気がする…

という不満はここまでにして…
本当にボリウッドらしいパワフルで楽しいエンターテイメント作品。
個人的にボリウッドの真髄は「シンプルに楽しく、力強いメッセージを受け取れる」という部分にあると思っていて、それを見事に体現してくれていました。

受験に失敗した息子が、悲しみから身を乗り出し病院に運ばれてしまう。そんな息子を勇気付けるべく、父親が大学時代の昔話をするという、現在と過去の二軸のストーリーを織り交ぜたスタイル。
結構重ためな話ではあるのにもかかわらず、インド映画特有の明るくハッピーなユーモア全開の作風は本当に見ていて元気になる。
『人生は結果ではなく、その過程で何を得たのかが大切』というテーマ性は現在の日本はもちろん、全世界に共通する普遍性があって、すべての人々が感動と共感を感じることができると思う。

正直、みんながいい人すぎてついていけない部分もあったけど、最後のインド映画ならではのダンスシーンはやっぱり素晴らしい。歌詞でテーマ性を語って、楽しく、そして面白おかしく、踊って終わる。最高のエンターテインメントの形だと思う。
こういうインド映画の良さを純粋に多くの人に感じてもらいたい。

ちなみに、個人的に好きなキャラクターはへべれけです。笑

しかし、本作の主演の一人、スシャント・シン・ラージプートさんが、本作公開後、自ら命を絶ってしまった。この作品のテーマも相まって、本作の重要性をより強く感じる。ご冥福をお祈りします。
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