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WAVES/ウェイブスのnobuのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.5
映像が面白いな、と思って見終わった後に調べていたら、いろんなしかけがあったよう。それを知った上で見ていたらまた別な楽しみかたができたかも。
一つめは、時々不思議な映像加工がされていたことについて、「登場人物の心理状態に合わせて、画面の色を変える」というしかけだったらしい。
二つめは、事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作って、そこから物語の着想を得て脚本を練ったということで、音楽がとても重要な役割をもっているらしい。

そんな前知識がなくとも映画は楽しめ、何よりストーリー自体に引き込まれました。
家族の絆が壊れて再生しようとする様子が子供たちを軸に描かれ、前半の壊れる様子を兄を中心に、後半は妹が中心に再生に向かって物語は進みます。
特に後半部分の妹エミリーのところで、自身が経験する出来事の所々で昔の兄の姿を思い返すシーンがとても印象的でした。
兄も同じような経験の中で自身と同じような思いになっていたのではないか、と考えエミリーの中に他人を思いやる気持ちが芽生えていくような様子が丁寧に描かれていきます。

何よりもエミリーの見せる微笑がとても素敵で、家族の再生に向かっていく一握りの希望を感じさせてくれます。
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