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グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇のyamanamiksのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに映画館でがっかりした。
以下、個人の感想を今の自分が感じた記録として綴ります。

まず、原作を先に読んでしまったのがいけなかった。太宰治の作品といえば、少し読んだところでふうと息をつきつき進めていくけど、この『グッド・バイ』はするするするーっと読めた。めちゃめちゃ面白い。え?これ、人間失格の人?あまりに今風というか、小粋に洒落が効いている中、プツリと終わってしまう。

この映画はその続きであると思ってしまったが、それは大いに違った。だって、作者が違うんだもん…(笑)ドッタバタのコメディに転換していく。
主人公が纏う繊細な憂いみたいなものはどんどんグッドバイしていき、後半はもはやみんなの洋ちゃんである。。。最初に青木さんと別れるときの「グッドバイ」が良すぎてその後を期待してしまったのが悪かった。だって原作に載ってる『いたわるような、あやまるような、優しい、哀調に似たものを帯び』た音色そのままだったんだもん!!
ラストらへんの田島さんは普通の精神状態では無かったとはいえ、占い師にあんな剣幕で迫られたら言う事聞いちゃうと思うんだけどな…
出せる俳優さん達をふんだんに起用しているからこそ、全体の設定が窮屈だったんじゃないかしらと思う。
途中時代感も分からなくなったなと思ったら、突然東京ブギウギで元気いっぱいの踊りが始まり(苦笑)その品の無さったらすごかった。
それと、舞台を映画化するんだったらカメラワークはもっと引きで長回しの様な距離とか空気感を楽しみたかった。表情のアップが多すぎて楽しみ方に不自由さを感じた。まあ映画化してるんだから舞台っぽく撮る必要も無いんだろうけど、、、
それならもういっそ舞台で見たかったという気持ちになる。。。

ただ、女優陣のキャストは適材適所。
小池栄子さんは原作通りの見た目は美しくも話すと鴉声のキヌ子をしっかり熱演してて感動した。戸田恵子さんの奇妙さがとても良い。顔をグルッと回すのがすごく面白い、、、緒川たまきさんがビックリするほど大正、昭和の面持ちで震えた。
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