すかちん

魂を投げろのすかちんのレビュー・感想・評価

魂を投げろ(1935年製作の映画)
2.5
国立映画アーカイブの<生誕100年 映画女優 原節子>特集より。1935(昭和10)年の原節子出演第3作で現存最古の作品だそう。

オープニングでいきなりセーラー服姿の15歳原節子のクロースアップ。清純なる美貌に、観る者わしづかみ。普通、小津三部作ほかで現在のわれわれは原節子に入信するわけだが、こんな純正アイドル時代の彼女をこそ観たかった。小泉今日子や綾瀬はるかが登場した時のときめきなど若干フラッシュバックして、昭和10年代の青少年の心情を思い知る。

ストーリーはまあ野球少年の敢闘記で、それ自体はどうってこともなく、原節子が出てくるシーンばかりを食い入るように観るだけ。おさげ髪、浴衣姿に水着姿まであります。主人公のピッチャー少年は伊沢一郎、そう60〜80年代のテレビっ子には、刑事もの、サスペンスもの、特撮ドラマから水戸黄門までおなじみのバイプレイヤーである伊沢一郎さんの若き精悍な姿なのであった。

オリジナルは65分のサウンド版だそうだが、現存するのは26分の無声版。この決勝戦で勝てば甲子園へ、というところでフィルムは残念にも…。
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