ふぃぐ

タイムマシンのふぃぐのネタバレレビュー・内容・結末

タイムマシン(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

心が、痛い。
被害と、困惑と、否定。
その後に残ったものは、加害者と、後悔。
「タイムマシンを作って友人を助けたい」
彼は彼を助けたい。
それと同時に彼に許してほしい。
そんな気持ちがあったのではないかな、と思う。
「救えたはずだったのに。救えなかった。俺も加害者だ。」
その後悔がずっと彼を締め付けて、
ちら、と見えた彼の腕には傷がありました。
何年、彼は後悔したいたのだろう。
彼が兄に問いただしたのは、きっと彼は心の中で葛藤があったのだと思います。
兄がそんなことをするはずがない。
兄はなんてことを友人にしたんだ。
しかし、答えを得て、
自分の兄を刺しても、自分の罪は消えなかった。彼は自分を許せなかった。
友人が被害を受けた事実も消えない。
だがそれは、タイムマシンを作っても同じではないだろうか。
目の前でおこったことに声を上げた彼。
そして看守の女性に言われた「未来は変えられる」。
その後に見えた友人の影は、彼に「いつまでお前は "お前のせいで死んだ被害者を助ける被害者ヅラ"をしてるんだ」と
言っているような気がしました。

その後のひまわり畑のシーン。
友人はやっと、生前にいえなかった事を彼に言えたのだと思いました。
そして彼も同じく。
やっと、彼らは自分の本当の内を伝えられたのだと感じました。
それはハッピーエンドではないかもしれない。
けれど、私は、彼が生涯葛藤したこと、そして彼なりの正義をした事、
そして何より、友人を大切に思っていたことが、私は嬉しいのです。

そう、誰だって 彼のような目にあっていいわけが無い。 それは普通なんかじゃない。

ありがとう。
被害者の1人として、
私はこのショートフィルムに会えてよかった。
ふぃぐ

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