語弊を恐れずに書くと、思ったよりドラマチックで、思ったより主人公の夏目は普通の男性で、思ったより面白い(笑いのこぼれる)映画。
主人公の夏目は、ふわふわとした優男かと思えば、身勝手な夫妻に対して反論する気概もある。
苛立ちのまま、姪がいる車内で煙草を吸うくらいの無神経さもある。
田中圭さん演じる夏目の適度な湿度のある存在感が、この綺麗なものばかりが登場する物語に絶妙な現実味を加えていた。
あとはなんと言っても青木夫妻。
完全に素直には笑えないあのシーン。
みんながちょっとずつ自分本位で、だがそれが人間臭くて可愛い。
ラストカットの爽やかさのまま、エンドロールも秀逸。