このレビューはネタバレを含みます
彼女の半生を結構はしょって死までを描き切る作品だった。
彼女の人生の最初から研究内容など、wikipediaに結構長く書かれているので内容自体はそちらで読む方が充実していた。
映画だと流石に専門的な事を色々喋ってもしょうがないので、なんか光る!ノーベル賞!ラジウム大人気!みたいなスピード感だった。
夫が放射線の影響で大分具合悪そうにしていて、ラジウム危険かも……みたいな雰囲気が出て来たかな?って辺りで事故死してしまう。
とてもとても愛していた夫を亡くして意気消沈するのだけれど、娘たちを育てていかなければならないし…友人の男と良い感じになったら妻帯者で、彼の妻には罵倒され新聞社にその事を売られたら今度は世間が掌返ししてマリを糾弾しまくる。
まだ女性が表に出て色々するのが憚られる時代だったからかしらね。妻がいるのに他の女に手を出した男の方は全然叩かれないのに。結局この男は大した男じゃなくてすぐ関係は終わる。
それから一人で踏ん張り続けて、2度目のノーベル賞受賞、戦争の時代がやって来て兵士たちが対した怪我でもないのに四肢を切断されている事を憂いた成長した娘が母であるマリを説得し、移動式X線装置の手配をしたり、持って行った先で兵士の面倒を見させられたりともう既に大分体が弱っているのに凄いな、と思う。
娘もまた優秀で、恋人と共に放射線に関する研究をしていたのだけれどマリは放射線は危険だから辞めて欲しいと頼む。
けれども結局娘も一緒に研究を進めて後に夫と一緒にノーベル賞を受賞し、更に娘の娘(キュリーの孫)もまた原子核物理学者になる。この辺はwikipediaで読んではえ~~ってなった。すごい。弟のピエールは生物物理学者。すごい。
キュリーの次女は研究者にはならなかったけど作家としてマリの伝記を書き、研究に関わらなかったから長生きしたらしい。102歳。すごい。
更にキュリーの孫は、作中で出たマリの不倫相手で大した男じゃない と書いた男の孫と結婚してた。それはそれですごい。更にその息子は天体物理学者。すごい。
頭の良さって遺伝するのかしらね…。
マリがノーベル賞で貰ったメダルを換金しても良いまで言って手配した移動式X線装置は、WW1の間に100万人以上が診察され、多くの命が救われたのだそうだ。
最後に、第5回ソルベー会議(なんか著名な学者が集まってテーマごとに色々お話する会っぽい)の写真で、ただ一人ヒゲのおじさん達に混ざって映るマリがカッコよかった。中央に居るのはアインシュタイン。
キュリー夫人って言うと、放射線研究の第一人者であった事とラジウムとポロニウムの発見と彼女の研究ノートは今でも放射線を放っている って事しか知らなかった。あと娘もスゴいって事と。
多分小学生くらいの時に、マーブル昆虫記とかも入ってる子供が読む世界の偉人シリーズ みたいなのが推奨されていた気がする。多分そこで読んだんじゃない…かな~~~
映像としては悪くない部分もあるし、流石にちょっと合成感がねって部分もある。
ただ面白くなかったシーンはそんなにない、人生史の映画としては悪くないんじゃないかなと思う。