福福吉吉

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男の福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
弁護士のロバート・ビロットあてに農場主のウィルバー・アール・テナントから巨大企業デュポンにより環境汚染されたとの相談が来る。調査を始めたロバートだったが、その原因を探るうちにその汚染がより深刻な状態であることを知る。

◆感想◆
巨大企業を相手に環境汚染で闘った弁護士の姿を描いた作品であり、隠蔽された環境汚染について真っ向勝負を挑む主人公とそれを嘲るように対応してくる巨大企業のそれぞれの姿がよく出ていました。

弁護士のロバート・ビロット(マーク・ラファロ)は温和であまり好戦的でないイメージの人物で、農場主のテナント(ビル・キャンプ)の相談にも最初は乗り気でない感じでした。しかし、いざ調査に入るとロバートの真摯な性格が出て、相手が誰だろうとおかしいものはおかしいと言える強さを見せてくれました。

しかし、巨大企業デュポンも簡単には引き下がらず、あらゆる方向でロバートの攻めを封じてきます。本作の訴訟の難しさはそもそも法律の規制のない物質についてデュポンがその物質の危険性をあらかじめ知っていたということにあり、知っていたかどうかを良く立証できたものだと思いました。

ストーリー後半になると、かなり苦しい展開が続いてロバートがひたすら耐え続けますが、遂には倒れてしまいます。タイトルに「巨大企業が恐れた男」とありますが、ロバートの憔悴ぶりにはそんなタイトルが似合わない、ロバートが一個人として背負い続けた苦しみが嫌というほど伝わってきました。

本作はロバート・ビロットという弁護士が英雄でもなんでもなく等身大の姿で巨大企業に立ち向かった姿が描かれており、だからこそ彼の偉大さを強く感じる作品でした。

鑑賞日:2024年1月31日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年11月8日)
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