かいりさん

ミセス・ノイズィのかいりさんのレビュー・感想・評価

ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)
4.0
絵の作りとかそんな感じしないのにめちゃめちゃ重苦しいよこれ。ともすれば笑いが起きそうなシーンが全然笑う気になれない。なんならモブが大爆笑してるシーンが見ててキツくなるんですよ、前の描写を見てるとこっちは全然笑えないので。
このへんの雰囲気が形作られてるのが前半部分なわけなんですけど、めちゃめちゃ登場人物同士が食い違っちゃってるんですよね。これ一言話せばなんぼでも理解して譲歩しあえたんじゃないの、っていうのがどんどん悪化して泥沼化しちゃってる。
後半は事態の跳ね返りがくるわけですけど、なんだかこの辺で起きる出来事は如何にも2010年代後半だな、って感じですね(この映画の舞台は2018年)。まあいわゆる「炎上」状態になっちゃうわけですけど、もう勝手に盛り上がる周りはひたすら無邪気に勝手にエンターテイメントにしちゃうし、当事者がどう考えてようと一度火がついちゃったらもう止まんないな、というのが如実に出てましたね。

美和子はことあるごとに「自分たちは正しく生きているか」と言及してましたが、最後のシーンはなんだかそれが肯定されたように思えて気持ちのよい終わりでした。