Filmarksオンライン試写会。
フランスの山間部の町でひとりの女性が失踪した事件を中心に紐解かれていくミステリー作品。
事件に至るまでに起こった出来事に関わる人物ひとりひとりの視点で描かれていく。
それが、途中からまるでジグソーパズルのように観る物のなかではまっていき、全体像が見えてくるのが斬新だ。ここまでの偶然の重なり合いを描く脚本力に脱帽。
偶然の重なり合いではあるが、原題の『Only the animals』がやたらしっくりくる。というのも、その偶然はひとりひとりの欲望から派生したものであり、欲望に忠実＝動物的、だからだ。また邦題に関しても、犯人に関しては偶然という要素がなければ、偶然をもたらした人々からすれば、その事件につながっていることすら知らないあたり、悪はないわけである。
こうして偶然のひとつひとつを紐解いていくと、こんな偶然の重なりは映画だからでしょう！？と思う人もいるかもしれないが、毎日をいちいち紐解かないから知らないだけで、本当はこうして行動が偶然となり、それが重なることで、どこかのできごとに繋がっているのかもしれないよという警鐘を鳴らしているような作品に思えた。
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