おかだ

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのおかだのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

トリロジー完結とオリジンの両立


年初めにありがたい物を観せてもらいました。

まず感想としては最高でした。
MCUのパートとしてではなく、いちスパイダーマンのファンとして感無量です。

さて、色々話したいことはあるけれど、このレビューにおいては、今作が担ったトムホ版スパイダーマンシリーズにおけるある1点の役割についてのみ書いていきたい。


実は個人的にはMCUの単体作品の中でもかなりピンと来ていなかったこのスパイダーマンホームシリーズ。

というのも、「シビルウォー」での初登場に次いで単体作品がスタートした本シリーズは、ピーターパーカーのオリジンの物語を省きすぎたために、あくまでもMCUの一部としての要素が強く、彼のアイデンティティが歴代シリーズと比して弱いためにシリーズとしての魅力に欠けるという印象があったから。

「ホームカミング」では、すでにスパイダーマンとしてスタークから配られた装備の慣らしに終始していた印象であるし、「ファーフロムホーム」に至っても、やはりフェーズの橋渡しとしてのユニバースの中での役割を意識せざるを得なかった。

もちろんそれは作品としての出来不出来の話ではなくて、個人的に感じる魅力度の話でしかないのだが、とにかくトムホランドの、ピーターパーカーとしての描写の弱さが気になっていた。

そんな、アクションもMCUの世界観の醸成もハイレベルなトムホシリーズの個人的な唯一の欠点が、今作でついに補われてしまったのだ。

詳細は省くが、ラストは新居に段ボールというまさに心機一転のモチーフともいえる描写から締めた切れ味は本当に見事で、トリロジーの完結編であると同時に、新たなスパイダーマンのオリジンの物語としても成立させてしまったまさに離れ業。


正直、あまりの尺の長さと壮大な尻拭い的ストーリー展開には辟易したが、しかし数々のファンサービスにはまんまと乗せられて興奮し、挙句には上述したようなケツの切れ味に見事にノックアウトされ大満足の鑑賞体験となりました。


MJ落下のあのシーンでは大号泣したし、とにかく絶対に映画館で観るべき作品に違いないと思います。おすすめです。


余談ですが、吹き替え版舞台挨拶中継付きの回を見たのですが、これが本当に酷かった。

登壇したSixTONESはよくやっていたし、コメントも誠実でとても好感が持てたのですが、パネルや進行、それからサムイ企画。最低でした。

司会の進め方は鈍重でパネルのハッシュタグはセンスが無く、さらにはあいうえお作文でSixTONESに魅力を語らせるという企画を考えたやつは本当にどんな神経をしているんだろうか。
さすがに彼らもやりにくそうでとても可哀想でした。

余韻が台無しです。
おかだ

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