アンタレス

ジャンゴ 繋がれざる者のアンタレスのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.0
飄々とした態度で奴隷商と交渉する男性。自らを歯科医と称する彼は名をキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)という。賞金稼ぎとしての顔を持つシュルツは、ターゲットの顔を知るジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を手に入れた。
黒人奴隷であるジャンゴと白人同様に接する変わり者のシュルツは、ターゲットを仕留めた後もジャンゴのことを気にかける。ジャンゴに銃の才能を見出だしたシュルツは、銃の扱いと賞金稼ぎとしての仕事を教え込み、ジャンゴの妻、ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を探す旅に同行する。


現代では黒人を差別する意識を持つ人間はかなり少なくなっただろうが、黒人が動物のように扱われていた時代が存在した。
黒人に対する差別や奴隷制度をテーマとしながらもユーモアを取り入れたこの作品を嫌う人も多いかもしれない。
しかし、そういう挑戦的な作品は評価されるべきだと私は考えているし、この作品は実際クオリティの高い作品だと思う。
目を覆いたくなるようなシーンも多いが、ジャンゴが白人の協力により自由を手にし、人間として力強く生きていく脚本はとても素晴らしい。
そして、人物の魅力も語る上では欠かせない。力強さと誠実さを併せ持つジャンゴを見事に演じたのは、演技力に関してはずば抜けているジェイミー・フォックス。そして冷酷な顔、剽軽な顔、人間味に溢れた顔、様々な顔を持つシュルツを完璧に魅せたのはクリストフ・ヴァルツ。
時間を忘れ熱中できる、傑作といえる作品だった。
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