はぐれ

春江水暖~しゅんこうすいだんのはぐれのレビュー・感想・評価

3.2
山水絵巻を現代的なフィルターを通して映像化した作品。高度成長で慣れ親しんだ故郷の景観が変わる前になんとか写真に収めようとする強い意識を感じる。監督はホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンに影響を受けたらしいが登場人物との距離感やその引きの画の演出はどちらかと言えばアンゲロプロスに近いのでは?と思う。

例の横移動の長回しも素晴らしかったが揺れる木々の隙間に石階段を登っていく主人公の影がチラチラと見え隠れするシーンが白眉の出来だった。まさに山水画に生活を営む人間を投影させたカット。

そしてラストが一番の衝撃。え?これ続くの?トリロジーなの?(笑)
はぐれ

はぐれ