はぐれ

ナイン・マンスのはぐれのレビュー・感想・評価

ナイン・マンス(1976年製作の映画)
4.1
ハンガリーの映画作家メーサーロシュ・マールタ監督作を初めて鑑賞。

この監督さんとにかく人間の描き方が辛辣で鋭い。嫉妬深くて幼稚で器が小さくて男尊女卑の思想に浸かりまくってて人間として1ミリも魅力がない彼氏の野郎に対して、自分の意見をはっきりと言い、経済的に自立をして勉学と子育てに励み自らの生き方を貫くヒロインとのあまりに強烈な対比ね。
もちろんクズ野郎じゃない紳士的な男性も現れるんだけどそんな男性に限って妻子持ちだったりするのがいかにも人生よね(笑)

シングルマザーのヒロインに対して、「子供のことは許しただろう!」と彼女と出会う前の過去の事まで裁こうとする傲慢な男。久しぶりに会えた娘を寝かし付けようとする母親のその貴重な時間まで奪おうとする器量の狭さに男の業が出てるよね。

そしてそんな彼氏と決別を決意して挑む映画史上最大のインパクトを残す壮絶なラスト。まごうことなき女性讃歌であり人間讃歌だ🥺
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