でんき

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のでんきのレビュー・感想・評価

4.2
良かった。TVシリーズ観て「これのどこが面白いんだ」と思っていた自分でも楽しめました。あと冷え込んだ映画業界に貢献できたような気になれるとこも良かった。思い入れはないんで感動はしなかったが、アクションが凄いと思った。もう飛んだり跳ねたり、そして煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)がクライマックスに魅せる剣技が凄い。
『スパイダーマン: スパイダーバース』を観た時は、この作品はアメリカ的なCGIでのアニメのひとつの到達点ではないかと思ったものだが、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』はジャパニメーションのひとつの到達点だろう。
前半はコミカル描写が本筋から解離して点になってしまい、テンポがもたついている印象はTVシリーズと同じなのだが、煉獄が夢を見ていても出し抜かれぬ炎柱(えんばしら)の凄みを魅せてからは俄然盛り上がる。あとは展開が早くて色んなことが起こってズバズバッドカーンシャキーンシャキーンってなって楽しかった。
最後の煉獄と猗窩座(あかざ)の一騎討ちは燃えたなぁ。まるで『アメイジング・スパイダーマン2』を思わせる駄目押しのクライマックス。ついに明らかになる煉獄の実力。

主人公の竈門炭治郎はそんな好きなキャラクターじゃないから、ここが一番燃えた。煉獄って絶対強いはずなのに戦ってるシーンがあまりなくて物足りなさを感じてただけに、解放感や爽快感があった。

でもなぁ、煉獄は猗窩座に勝てずに死ぬんだよな。しかし負けたんじゃなく「勝てなかった」って思わせるとこがポイント。普通敵と闘って死んだら弱いって印象が残るのに、それが全然むしろ好印象のまま終わる。煉獄と猗窩座の決闘、剣と拳の対決を驚愕のクオリティーと演出の良さで魅せて、負け戦を「炎柱・煉獄杏寿郎は強い」と力業で納得させてくれるんだから大変恐れ入りました。
Twitterで色んな人が話題にしているからってTVシリーズを観て、「好きな要素全然ない...」と思っていましたが、この作品でだいぶ『鬼滅の刃』の印象がよくなった。煉獄死なないでほしかったなぁ。。。
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