でんき

劇場版 おいしい給食 Final Battleのでんきのレビュー・感想・評価

4.9
『おいしい給食』、面白かったぁぁぁ。夢中になってしまって102分のランニングタイムが体感60分程度だった。

この作品はTVシリーズだけでも十分に僕を笑顔にさせてくれて登場人物が魅力的な作品なのに、まさか劇場版完結編ではどうにもならないことでモヤモヤさせられて、そして切ない気持ちになるとは思わなかった。

『おいしい給食』を観て市原隼人も武田玲奈も演技が上手いと思った。特にベランダと居酒屋のシーンの市原と武田が凄い。二人ともほんの数秒の間に移り変わる感情の変化を表現できていた。市原は今まで野球をやっている不良少年のイメージが強かったが、こんなに芸達者だったのかと驚かされた。そしてヒロインの御園ひとみ(御園先生)を演じる武田が素敵な女優だと気づいた。間違いなく『おいしい給食』は市原の新たな代表作だし、この作品で初めて武田を可愛いと思ったし、それだけでなく色っぽいと思った。

登場人物たちの別れが描かれる物語は好きだ。終わりが近づくにつれ寂しくなっていった。

市原が演じる学校給食を偏愛する男・甘利田幸男(甘利田先生)の姿は今回、TVシリーズよりも滑稽なのに、ストーリーが進んでいくほど僕は心の中で叫んでいた。「嫌だ、まだ大好きな登場人物たちと別れたくない。」

そしてクライマックス、御園先生から甘利田先生への心からの言葉。闘いを通して結びついた甘利田先生と神野ゴウの最後の姿。この映画を観て、大好きな登場人物たちの終章に立ち会えて良かったと思った。
いつか甘利田先生と御園先生、そして神野ゴウにまた会いたい。
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