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走れロムのHarutacoのレビュー・感想・評価

走れロム(2019年製作の映画)
3.8
ロムとフックの生きる力がとても尊く感じられるとともに、その力のすべてをデーに注がせてしまう社会のあり方が悔しくてたまらない。フックの名の由来、えーと思ったけれど、ベトナム語にすれば「福」。なんと縁起のいい名前なことか。
あの路地の住人たちだって、とても助け合いなんて言っていられない生活をしている。支え合いながら歪み合う。あの闇のネットワークにとらわれてしまったとき、お金だけでなく愛情や生命力の価値が、何か違う基準へと変換されてしまっているように思えた。
今は減っているということは、まだあるということ。どこかの路地で。走る少年たち。

ロムとフックの演技よかった。あとエンディングのラップが、意味はわからなかったけれどベトナム語の響きが活かされているようですごくよかった。

検閲によってどの部分を修正しなければならなかったのか。デーのしくみに関して、公権力がその一部をなしていることがわかる説明や場面があったのだろうかと想像する。
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