ロクシ

涼宮ハルヒの消失のロクシのレビュー・感想・評価

涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)
4.0
9年ぶりに鑑賞。
9年前に劇場で見た時は、キョンの自問自答シーン、特にキョンがキョンに後ろから頭を踏みつけられるシーンがやたら印象に残っていて、なんか00年代前半の暗いアニメっぽいなーと思った記憶。(エヴァの劇場版とか)

あとアニメ版2期笹の葉ラプソディを見てないと絶対ストーリーが理解できないんだけど、当時はぼんやりとしか覚えてなくて、
エンドレスエイトも途中でギブアップしてしまったのでシャミセンが喋るの意味もわからなかった。

今回、放火事件のことがあってからNetflixで2期をちゃんと見返して、溜息がめちゃくちゃ面白かったし、消失がじっくりちゃんと見られてよかった。
武本監督の文字を見るたびに心が締め付けられます…
Netflixありがとう…

この9年間でいろいろな海外ドラマや洋画を見まくったので、今消失を見るとタイムパラドックスについてモヤモヤしてしまった。
タイムトラベル系って考えるとわけわからなくなるね。ドイツドラマのダークとか。
過去にタイムトラベルをしても、過去に自分がした経験は同じようにしないといけないルールみたいなのがよくあるんだけど、過去に戻ってる時点で因果律が変わってない?
それも含めて出来事全体が定められた運命なのか?(ドラマのダークでは運命設定)

潜在意識の願望が現実世界で具現化してしまう能力があったらかわいそうだなーと思った。
長門がハルヒを違う高校に遠ざけて、古泉とくっつけようとしてまでキョンと
の青春物語をやりたかったのかって思うと、その願望を相手に知られてしまうのがめちゃくちゃ恥ずかしいし、それを強制するのではなく一旦提示してから相手に選ばせて、結局振られる流れがかわいそうだった。
人工知能が感情持って反旗を翻す系作品の恐怖も感じられるしどう見ていいのか複雑だった。
最後、「ゆき」って下の名前を呼ばれたのかと思ったら雪のことだったって切ないな。
学園コメディに見せかけてそれぞれが意外とどす黒い感情を持っているところ、そしてそれをちらっとしか描かないことで、日常系アニメの中にふと感じる毒がこの作品に惹きつけられる理由なんだと思う。
小説版は読んでないけど、朝比奈さんと古泉はどんな感情を抱えているんだろう。
朝比奈さんはほぇほぇ萌キャラしているようで、古泉は信用しないでとか、長門さんが苦手とかチラチラ怖いこと言ってるし。

続編はまずないだろうけど、この後のSOS団がどう変わっていくのか見たいなぁと思いました。
個人的にキョンがハルヒ以外にフラグ立ててることが色んな問題を起こしている気も。
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