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空に聞くのGONのレビュー・感想・評価

空に聞く(2018年製作の映画)
4.2
声と音の映画であり、構図映画。

この映画が声映画であることは冒頭できちんと声と音で説明してくれる(もちろん説明的な言葉は使わずに!)のだけれど、とにかく声と音の情報量が多い多い!
祭りの中での取材は周りがうるさくて全然聞き取れねぇし、墓参りのシーンも風の音がかなり気になったりと普通に観れば粗が目立ちすぎる仕上がりになってる。それでもこの映画に凄みを感じれるのはあくまで”取材主体の撮影”ではなく、”現場から声と音を拾う撮影”だからなのかなって思った。
いやでも声が主体だったら映画である必要性なくね?って言われそうだけど、終盤に一気に畳み掛ける計算されたショットの数々がこの映画が映画でないと成り立たない必要性を説いてくれる。

ドキュメンタリー映画をあんまり観た事のない自分にとっては声で現実的な面白さを引き出して構図で映画的面白さを引き出す、映画としてはかなーーり奇妙な作りに思えたのだけれど。皆さんはどうなんだろう??
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