ダンビラムーチョ原田

すばらしき世界のダンビラムーチョ原田のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
5.0
ドラえもんの元声優大山のぶ代がドラえもんの青色の事を、
『赤ちゃんが生まれてニヶ月くらいして、やっと首がすわりかけ、そーっと抱っこをして、初めて家の中から外へ出たときに、聞こえてくるいろいろな音と一緒に、明るい空のほうを見た時の、晴れ上がった青い空。ところどころ白い雲がある、あの青い青い空の色。そう、それがドラえもんの青なんです』と表した。

そんな表現力、僕には一切ない。

良い映画は、大きな声で「良い!」としか言えない。

ただこの『すばらしき世界』ちょっとでも多くの皆さんに見てもらいたい。

なぜならこの映画、「良い!」「すごくすごく良い!」「見なきゃ人生半分損しちゃうって言う奴ムカつくけど本当にそう思えちゃうくらい良い!」

「良い」ものは、1人でも多くの人と共有したい。だから、よく知らない男性のレビューで1人でも見てくれる人が増える事を願ってこの映画の「良い」部分を紹介していきたいと思う。

ただ、ここで問題なのが僕はネタバレが大嫌いなのだ。
予告という必要最低限のワクワクだけを持って映画を見たいタイプ。ちょっとでも面白さを減らしたくない。
ネタバレは、親父の後のトイレ、漫画の隙間で死んでるかわいた虫、用務員の先生に怒られる、これくらい嫌だ。

なのでネタバレなしという制約のもとお送りしたい。


①役所広司の深み
この役所広司という人間の深みはなんなんだろうか。全てを包み込まれるような演技。トゲトゲしくもあり、かつ丸く優しい男の演技に初めから最後まで虜になってしまった。この映画の三上正夫も好きになるし、役所広司の事も好きになる。
そんな役所広司の演技が「良い!」


②リアル
刑務所、ヤクザ、警察、、
この映画に出てくる場所や登場人物は、とにかくリアル。
例えば刑務所、僕が想像している刑務所は古びた鉄格子、ハンバーガーをムシャムシャ食べているムカつく刑務官が「食いたきゃ取引しな」と言ってくるプリズンブレイクの世界だ。
ただ今の刑務所は、刑務所と思えないくらいキレイなのだ。ムシャムシャ音も聞こえない。
こっちが知らなく勉強になるくらいリアルですぐさま映画に溶け込んでしまう。なんだかこの話をとても近くで見ている気分になってくる。そんなリアルさが「良い!」


③すばらしき世界
「この世界は生きづらく、あたたかい。」
ポスターに書かれた言葉。
この言葉の通り、この映画は生きづらい社会の冷たさと周りの人々のあたたかさが波のように襲ってくる。その波に、心を揺さぶられ飲み込まれる。
そして考える、すばらしき世界とはなんなんだろう。この主人公、三上正夫は、この世界をすばらしき世界だと思っていたのか。
答えなんてないのかもしれない。
そんな事を、ずっと考えてしまうこの「すばらしき世界」というタイトル。
そんな、「すばらしき世界」が「良い!」



さぁ、まだまだもちろん良いところは山ほどあるのだが、これ以上いくとネタバレになってしまいそうでここらへんにしときます。っていうかもしかしたらネタバレになってるのかもしれないなぁ、、
皆さん是非見て欲しいです!!



1つ言える事は、、




「すばらしき世界」は「良い!!!!!」