『すばらしき世界』…。なんとも皮肉なタイトル。
過去にあやまちがある・生い立ちがかわっている・正しくても皆が取らない行動をとる、など世間の一般的なレールから外れているだけで排除の対象になる、という部分が軸になった作品。
日頃の生活では気づかないふりをしたり、自分が無意識のうちにしていたりするであろう事を、三上の視点から描いてあり、考えさせられるものがあった。
特に、施設で障害のあるスタッフをかばおうとした三上が深慮した結果躊躇してしまった場面は、止めに入りたい自分と応援してくれる皆のために我慢しなければと思う自分の間で揺れ、葛藤する様子が、役所広司の見事な演技で表現されており、見ていて涙が止まらなかった。
