中重優

アントラム 史上最も呪われた映画の中重優のレビュー・感想・評価

3.0
"観たら死ぬ"という触れ込みの映画で、
冒頭は白黒多めで、
地獄を表している様な映像から始まります。
最初に"アントラム"が
なぜ観たら死ぬ映画なのかを
起きた出来事などで説明があり、
その中には、リングの中田監督の名前が
チラッと登場したりします。

そこからこの映画を観て、何か起こっても
関係者は責任をとれないので、
自己責任で鑑賞して下さいと
要約するとこんな感じの説明文と共に、
30秒のカウントダウンの後、
問題の作品"アントラム"の本編が始まります。

最初の方に流れる"アントラム"に関しての
説明にもあるのですが、
本編はさほど怖い訳ではなかったです。
ただ、終始不気味かつ不安感を煽る様な作品で、
音や映像の乱れ、古いからなのか
簡単に言えば所々、気分が悪くなる映画でした。

本編は、古い映画なので、
登場するリスの造形が雑だったりして
その不自然さがまた気持ち悪かったです。
劇中には、様々な日本的要素も
登場するのですが…
それが時代背景的なものなのか、
登場人物達の家庭環境などの影響という
設定なのかよくわかりませんでした。
終盤は、胸糞ですし、
イラッとするシーンが多いので、
それに不快感を感じる人もいるかもしれません。

本編が終わるとエンディングを交えながら
"アントラム"という映画を心理学を含めた
学術的な面からアプローチして、
"なぜ人が死ぬのか"を解明していくので、
最初と最後の解明部分は面白かったです。
本編中に起こる不可思議な事の
説明をされると、
"そういう効果があるのか"と
勉強になりました。
誰しもがもつ恐怖という感情の力の強さ、
今作は、
"この映画は観たら死ぬ映画なんだ…"と
強く信じて鑑賞する事で、
悪影響を及ぼす危険がある映画なのだと
自分の中では腑に落ちました。

約90分程度の作品ですので、
暇な時に鑑賞して下さい。
その際はよそ見せず、
鑑賞する事をオススメします!
中重優

中重優