BabySugar

プラットフォームのBabySugarのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
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2021年13本目の映画

格差社会・階級社会を描くにあたって、上の階層からの食べ残しが降りてきて、下の階の者達は有無を言わずそれを食うしか生き残る術はないって描き方のアイディア自体が秀逸。
あのいつ自分が最下層に行くか分からない恐怖や、例えマシな階層に行けたとしても最上階じゃない限り結局は上からの残飯を食うという、上には上がいて下には下がいる感、そして移動させられる瞬間にはガスで強制的に眠らされて起きたら別の層に変えられてる抗えない感。
そんな常に露骨に目を背けたい現実を突きつけられていたら人間おかしくなって当然だよな、、と。

今日は上層階にいた者も明日には最下層になってるかもしれない恐怖。
下にいた者も上に行ってしまえば、その時下にいる者の気持ちなど考えられるはずもないのは現実社会も同じなのだろうか。
でも同じ層になった人を助けようとしてる人間もいる、、僅かな希望もあるのでは?と思わせられるような描写。

最初はなぜ、"プラットフォーム"という施設が作られたのか?と気になったが、その点については最初から最後まで明かさずヒントすらないのが逆に良い。むしろこの映画において重要なのはなぜプラットフォームが作られたのかなんて事よりも、ストーリーで風刺的表現されている現実社会の在り方ではないだろうか?

映画だから分かりやすく、あえてグロい描写も交えつつインパクト大きく描かれているように思うが、ここまで目に見えて形には現れてなくても現実社会で起きている貧富の差、階級社会、それに伴う人々の対応などはこれと実はすごく同じような物なのではないかと思わされる。


ただあの状況に犬くん連れてくるのはもうああいう結末のフラグじゃんか…切ないからやめてくれーー😰
犬くんの最初の登場シーンでまあまあな高さのベッドから払い落とされて体打ちつけてたのが気になって気になって映画にも集中できんからこういう演出は人形でやってくれ!!

あの、希望があるようでないようでな受け取り手によってどちらとも取れる終わり方、嫌いじゃない。

CUBEを思い出すと書かれているレビューを多く見かけたので、近いうちにCUBEも是非鑑賞したい。


2021/06/17
Film 13.🍿
BabySugar

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