設定がとても面白くて観ていてワクワクした。終盤まではホラーサスペンス映画として最高に楽しめた。中層で出会ったおっさんといつの間にか意気投合して楽しい日々を送ってたと思ったら、下層に移ったときの絶望感、逆に高層になったときの高揚感、子供を探しに下層へ降りて行くヤバい女性…どれも魅力的で楽しめた。上から下への一方通行ってのが感覚的に理解しやすいし、こんない怖くて面白くなるだなんて。この設定をもっとこねくり回して面白がりたい。
ただ、この映画はそんな単純なホラーサスペンスに留まらず、もっと社会的なメッセージを伝えようとしていることは明らか…なんだけど、どうも何が言いたいのか受け止めきれなかった。
端的に言うと階層社会とか「奪い合えば足らぬ、分け合えば余る」的なことをテーマにしているんやろうけど、どうにもしっくり来ず、よく分からない点が多い。
特に「パンナコッタは伝言だ」とか「この子供がメッセージになる」とか言い出したあたりは意味不明。主人公は管理者に何を伝えたかったのか?伝えてどうしたかったのか?そもそもあの子供は何なのか?劇中のセリフとか意味深な階数からして聖書を何かしら引用してるんかなとは思うけど、正直その辺はだからなんやねーんって感じ。