よだりお

花束みたいな恋をしたのよだりおのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.5
なんかすっごいリアルに感じたんやけど、これは2021年の2月初旬に見たからなんだろうなと思った。
今見るのがこの映画の旬のピークで、3〜4年前の映画の演技に少しわざとらしさを感じるように、この映画に本当に共感できるのは2021年2月に2人と同世代で同じような恋愛をした人だけなんだろう。
映画の賞味期限みたいなものを初めて感じた。

個人的にリアルポイントは、恋に落ちる瞬間になんとなくスローモーションになって「ああーこの人いいね」って自分と潜在意識下で喋る感じとか、一度はキャンセルしようとした2人の予定を「仕事断って行くよ」と言った麦に絹ちゃんが意地張ってもういいってなる喧嘩(しかもそのあと麦が電話で「土曜日いきまっす!」って意気揚々と答えてるのに対して絹ちゃんがめっちゃ呆れてるの)とか、すれ違い始めた恋人の人生の転機について全く知らなかったことへの苛立ちとか、別れようかとぼんやり悩んでるときに確かめるようにセックスする(そして何も感じずにそのあと夜空みて絶望する)のとか、別れたあとに割り切って歯に衣着せぬ本音を話せるのとか。長く付き合うと別れるときに穏やかに思い出話をたくさんするのもわかる。

元はと言えば絹ちゃんが就活が無理でフリーターしてて、生活のために麦が好きなことを諦めて自分を忘れて働いているときに、好きなことをして生きていくって自分に相談せずに決めた絹ちゃんを許せないという気持ちもリアルだった。

終電を逃したことがきっかけで付き合った今の恋人と、あそここういう意味だよね、って終わったあとに電車でずーっと話してた。昔の恋人の話もした。この人との終わり方はどうなるんだろうな〜とか考えた(言ったら怒られそうやし黙ってたけど笑)。 俗な映画ではあると思うけど、たくさんの人が自分に重ねられるからヒットすると思う。冒頭の2人があまりにも気が合いすぎなのと一番泣かせにきたファミレスのシーンはくどかったwww