感想が難しい、類型がない(見たことがない)からだと思う。
ジェシーがフィクションの子供らしくなく、聞き分けが良すぎたり異端性ばかり取り上げられていないところが良かった!それに伴ってジョニーはジェシーに困らされ、心配させられ、迷惑をかけられ、めちゃくちゃ怒る。そういう子供との普通を経験していく描写がとても好きだった。母の老いに対する態度で妹と決別していたジョニーが、「ぺらっぺら」だけではどうこうできない子供の危うさに振り回されるのは良い。
明確な何かが解決したり、ジョニーやジェシーのこれからが劇的に変化していく…という話ではない。ジェシーは9歳だし、忘れたくないと思っていても成長するにつれてこの期間のことを忘れるかもしれない。それでも、と思えるのは録音があるからで。
自己と他者のわかりあえない部分、自分でも見つけていない自分の一部について。それを探る作業は超超困難だけど、そこに美しさを見出してないとつくれない映画じゃないか?と思う。立場が変わった時にまた見たい、難しい映画。