録音が流れるエンドクレジットで思うのは、あくまでもこの映画は"子育てのリアル"を描いただけではないということ。自分の心の中の混乱やジョニーの言動への違和感を容赦なく表現するジェシーと、目をそらしていた様々な問題を直視せざるをえなくなっていくジョニーとの、まるでふたりが互いの「鏡」であるかのような話。観ている私たちもインタビューされた子供たちの生の声を聞いて、自分自身を投影することができる。とにかく、ホアキン・フェニックスとウディ・ノーマンの演技、両者のケミストリーが本当に素晴らしかった。全編モノクロなのも、色んな雑念が排除されて人と人との"声"や"音"がダイレクトに伝わってくる演出になっている気がしました。
